日本体育科教育学会 第26回大会 茨城大学

ラウンドテーブル

開催日:6月27日(日)

第1部(9:00~10:30)

演題1:理論研究とその方法
司会:三田部勇(筑波大学)
演者:石田智巳(立命館大学)
発表要旨:
 前回大会(日本女子体育大学)では、コロナ禍の影響によりラウンドテーブルの中止を余儀なくされたが、第24回大会では荻原朋子氏(順天堂大学)に、第25回大会では近藤智靖氏(日本体育大学)に、それぞれ日本体育科教育学会の研究企画として情報提供をいただいいてきた。これらは、いずれも若手研究者や大学院生(修士・博士課程)を主な対象としており、今回の第26回大会においてもそれを継承してラウンドテーブルを開催したい。演者として、立命館大学教授の石田智巳氏に登壇していただき、「理論研究とその方法」という題目で情報提供をしていただく。2021年3月に「体育科教育学研究ハンドブック」(日本体育科教育学会編:大修館書店)が発刊されたが、石田氏は「体育科教育学の研究方法」の中で理論研究の方法について執筆をされている。今回は、そこでの内容を中心としながら、研究方法の基礎的知識及び研究の質を保証するポイントについて情報提供いただく。主な対象者は先述したとおりであるが、体育科教育学研究を行う上で誰もが関係する内容であるので、多くの方々にご参加いただきたい。

演題2:小学校低学年「たいせんゲットボール」と学習内容のフレイムワーク
司会:荻原朋子(順天堂大学)
演者:今関豊一(日本体育大学)福ケ迫善彦(流通経済大学)吉野聡(茨城大学)
発表要旨:
 本研究は,体育科の学習における運動の内容構成のためのコアな動きを特定する手がかりを,取り上げる運動が成立するかしないかの核心部分,児童生徒が学習時間の範囲でできるようになる動き,ボール運動で得点への関与する動きに焦点化し,中核となる動き(コアな動き)を抽出する枠組を設定し,検討するものである。抽出された動きは,資質・能力の育成のための運動教材の開発,授業開発,学習評価などの手がかりとなる。体育科の学習における運動の内容構成のためのガイドラインとしたい。
 ランドテーブルでは,「投げる」「捕る」の動きを,ボール運動のゲームで構成した小学2年の「たいせんゲットボール」の映像,学習内容のフレイムワーク資料による提案をもとにディスカッションを行う。

演題3:「新型コロナウイルス感染症に対応した体育授業の工夫」領域別動画映像の効果を検証する
司会:近藤智靖(日本体育大学)
演者:佐藤豊(桐蔭横浜大学)清水将(岩手大学)大越将大(東海大学)吉野聡(茨城大学)本多壮太郎(福岡教育大学)栫ちか子(鹿屋体育大学)清田美紀(広島県東広島市教育委員会)
発表要旨:
 新型コロナ禍において、現在、体育授業の実施については、文部科学省ガイドラインに基づく教育実践が行われているが、制限化においても各領域の特性を引き出す具体的な指導の工夫や健康・安全の管理の具体策を検討することは、教師の負担軽減及び積極的な授業実践に資するものと考えらる。
 そこで、令和2年度の文部科学省委託事業を活用し、桐蔭横浜大学を事務局とし、新型コロナ対策感染症ビデオ開発委員会では、中学校、高等学校における領域ごとの映像資料(中学校34事例、高等学校30事例)の作成を通して、医学的知見からの感染予防策、地域の感染状況、発達段階に応じた防止策を講じつつ、新学習指導要領の趣旨に応じて、知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の育成を図る授業の工夫を検討した。本プロジェクトでは、大学関係者、教育委員会関係者、学校現場教員等22名がチームを構成し検討を行った。本ラウンドテーブルでは、学会参加者と情報の共有を図るとともに、映像の有効性、効果的活用方法について意見交換を行いたい。

第2部(10:40~12:10)

演題4:第一人称のからだ観を育む可能性-表現運動・ダンス領域に焦点を当てて-
司会:三田部勇(筑波大学)
演者:原田奈名子(大谷大学)大橋奈希左(京都女子大学)
発表要旨:
 一人称のからだの捉えに関して、ソマティクスという研究領域を立ち上げたのはT.ハナであり、束ねられたそれぞれの身体教育法や分析法は、欧米のダンス教育に広く導入されている。M.エディは、ダンスのクラスというのは、いろいろなコンセプトを教えるにはパーフェクトな場所であると指摘している。しかし、一人称の内側からのからだ観を育てようとするとき、水泳領域で、「今脚が煽っているか、水を押せているか」を感覚的に識別できることが育つ事例のように、他のスポーツ領域ではゴールが定まっているがゆえに、結果として育んでいる構造になっていると言えるだろう。一方、ダンス領域はゴールが一元的に集約されていないことに起因して、この視点が見落とされてきたのではないか。この内側の問題をスポーツ領域の先生方も交えて討議できればと考えている。

演題5:「体育嫌い」の沈黙する声を聴く:フォーカスグループインタビューによる体育課題の探究
司会:荻原朋子(順天堂大学)
演者:井谷恵子(京都教育大学)三上純(大阪大学大学院人間科学研究科)
発表要旨:
 スポーツ・運動の実践は小学校期から二極化の傾向が見られ,生涯にわたる運動実践の重要性を考えると,運動から離れていく要因への対策が不可欠である.これまで「体育嫌い」に関する量的研究は数多くなされてきたが,その多くが量的研究であり,「体育嫌い」の声にもとづいて個々の状況を読み解く研究は僅少である.
 本ラウンドテーブルでは,平成28年度から6年間(科研費による研究プロジェクト2期)にわたって行ってきた体育カリキュラムのポリティクスに関する研究成果を中心に,体育科教育をめぐって見落とされてきた課題について検討する.一連の研究では,体育嫌いを自認する大学生を対象に,個人インタビュー,またはフォーカスグループインタビュー(FGI)を実施し,質的データ分析ソフトMAXQDAを用いて分析を行った.
 議論の主な要点は,「体育嫌い」の訴え,性的マイノリティの視点,競技スポーツ主流化の功罪,変化の乏しい実践・教員,FGIによるエンパワーメントなどを予定している.

演題6:テクノロジーを活用したGIGAスクール時代の体育授業の作り方~未来の体育へのGateway~
司会:近藤智靖(日本体育大学)
演者:大熊誠二(帝京大学)鈴木直樹(東京学芸大学)村瀬浩二(和歌山大学)石井幸司(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科)中島寿宏(北海道教育大学札幌校)元安陽一(徳山大学)
発表要旨:
 本ラウンドテーブルでは、体育ICT研究会がこれまで取り組んできた実践と研究成果を共有し、これからの体育指導について考える機会としたいと思います。具体的には研究会での実践研究を通してGIGAスクール時代の体育の存在論と認識論を問い直し、効果的な情報技術の利活用について具体的に提案していきます。そこで、ラウンドテーブルでは、具体的な授業について授業映像を用いながら提案をすると共に、参加者に最新技術を体験してもらいながら、次世代の体育での革新的な指導方法を考えていくことができるようワークショップ形式での取り組みを行いたいと思います。ラウンドテーブルに参加頂いた方々が、具体的事例に基づきながら意見交換をし、明確な授業イメージを持つことができるように運営をしていきます。

※ラウンドテーブルへの聴講等の参加を希望される方々へ
ラウンドテーブルに参加するためには事前に大会参加申込を大会ホームページ(https://26ibaraki.jsppe.jp/)から行っておく必要があります。事前に参加申込をされた方々にのみすべてのラウンドテーブル聴講等の参加のためのURL、ID、PW(Webex)を開催2日前までにEmailで送付します。聴講等の参加は各自各セッションへのURLから入り行ってください。

※ラウンドテーブルで発表される方々へ
 ラウンドテーブルの聴講と同様に発表される先生方へも発表当日の2日前までにWebexのURL、ID、PWをEmailにて送付します。発表の5分前までにそれぞれのURLへアクセスして発表の準備を行ってください。

※ラウンドテーブルの発表参加申込について
 発表の申込は2021年5月28日(金)をもって受付を終了しました。